旅情満点、船で移動する四国と本州 < ジャンボフェリー / 香川・兵庫 >
周囲をぐるりと海に囲われた四国地方。
昭和末期から相次いで本四連絡橋が架橋されたことや、航空便の充実等により、かつて本四連絡の主役を担っていた船舶航路の多くが姿を消しました。今や架橋後に生まれた世代の方々に 「船で四国に渡る / 出る」 と言っても、ピンと来ない感さえあります。
そんな中で孤軍奮闘とも言える存在となっているのが、神戸と高松を結ぶジャンボフェリー。所要時間面では他の交通機関と比べて不利な点は多いのですが、フェリーならではのメリットは数多く存在します。
船旅の魅力
☆ 屋島 / 高松市
船旅の魅力は 何と言っても 「非日常」
離島に住んでいない限り、
「船に乗る」
「海の上を移動する」
なんてことは、そうそうありません。この非日常が 旅情を盛り上げます。
船上で迎える朝
☆ 三都半島 / 小豆島
ジャンボフェリーが運航されるのは 基本的に四便/一日。早朝便や夜行便もあるので ゆっくり移り変わる景色を、時間の経過と併せて見ることが出来る便もあります。
目が覚めたら瀬戸内の多島美の夜明け...
例えビジネスの移動であっても、ロマンチックな朝を迎えることができることは間違いありません。
島々に沈む夕陽
☆ 庵治半島周辺 / 高松市
お昼過ぎに神戸を出港する便に乗船すれば 高松に着く頃に日没になります。船上から眺める島々や穏やかな海に沈む夕陽は、いくら眺めていても飽きません。
昼間の航海はとっても贅沢な気分になることができます。
夜行フェリー
☆ 屋島と高松港 / 高松市
"夜行"
これぞ旅の醍醐味。乗船して寝て起きたら目的地...
その旅情もさることながら、一夜の宿賃節約にも大いに効果があります。
ジャンボフェリーは片道4時間半前後と、長距離フェリーに区分される航路の中では 距離・所要時間共に短め。
決してふかふかの布団があるわけではなく 4時間きっちり睡眠を取ることができるわけではないでしょうから、これを「睡眠時間」と見なすかどうかは 各人によるところですが、少なくとも 旅情と効率は抜群です。
自動車、バイク、自転車の輸送も自在
ジャンボフェリーはカーフェリーなので、車両航送が可能です。
大型車・乗用車・オートバイのドライバーにとっては貴重な休憩・睡眠時間。
原付バイク・自転車の旅人にとって、ジャンボフェリーは 本州に渡る貴重な足。
瀬戸大橋や鳴門・明石大橋は自動車専用道路なので、これらの乗物は通行できません。鳴門と淡路島の間には連絡船が運航されていないので、高松から東で 原付・自転車に乗って四国を出る手段は、徳島から和歌山へ渡る南海フェリーが唯一の手段となります。
行き交う船を眺めながら...
☆ 明石海峡大橋 / 兵庫県
明石海峡を通過したところで、大きなカーフェリーと離合しました。
大阪南港と新門司港を結ぶ 名門大洋フェリー。同じカーフェリーですが 船の大きさはジャンボフェリーの倍ほどある大型船。
関西 ⇔ 九州 はLCCや夜行バスの運航により 存亡の危機と言える状況です。
フェリーは「安い」面は確かにあるのですが、それに「早い」や「便利」の要素が加わった前者らの交通手段と比べると、劣勢感は否めません。頼みの綱は貨物輸送なのですが、それ重きになってしまうと 旅客輸送はデメリットの方が大きくなり、やがてRORO船(ローロー船、旅客を乗せないカーフェリー)化されてしまう危惧があります...
個人的なジャンボフェリーのお気に入り
ジャンボフェリーには 大浴場があります!
これは大型車両のドライバー向けに設置されているもので、一般旅客の利用も可能なのですが 男性専用です。高松に上陸する夕焼けに照らされた小豆島の山並みを眺めながら入るお風呂が最高!
シャンプー・ボディソープ、タオルの設備はありませんので、自身で持参する必要があります。
また、女性用にシャワーの設備があるようですが、こちらは レディースルーム内にあるため未確認です。
ジャンボフェリー
◎安価
◎横になって寝れる
◎旅情
▲運航便数が少ない
▲所要時間が長い
ジャンボフェリー 高松東港
< 自家用車 >
高松駅から 約10分、3.7km
高松空港から 約40分、20km
※ 主な地点からの最速・最短距離