絶景しだれ桜と、山中に秘められた歴史ロマン < 川井峠 / 徳島県美馬市木屋平 >
徳島県山中に突如現れる 見事な桜。
標高が高いため 平地の桜が散り始めた頃に咲き始める、この場所の枝垂桜(しだれざくら)。
山深いこの場所ならではの歴史ロマンも秘めています。
山中に突如現れる枝垂桜たち
アクセスは事実上 自家用車のみ。
国道438号・439号の重複区間を進みます。
国道439号...
国道番号をもじって 通称 "ヨサク"
徳島市の起点から 四万十市の終点まで、四国一の延長を誇る国道ながら その大部分が四国山地に沿ったルートとなっているため、道幅が狭い区間が多数存在する。
故に酷道(こくどう)愛好者の中では 非常に有名な道です。
今回は木屋平方面からアクセス。
峠にだいぶ近付いたところで、桜が咲いているのが見えました。中央の稜線が割れている部分が かつての峠。現在は峠の下を国道のトンネルが貫通しています。
もちろんそこまで・トンネル共に、道幅は1車線から1.5車線程度と広くはない。
川井峠のしだれ桜
川井峠(かわいとうげ / 徳島県美馬市木屋平)
美しさ・規模・ロケーション...
どれを取っても唯一無二のものですが、これが私設のものとは更に驚きです。
平地の乏しい地形だからこそ 斜面に植えられた桜、垂れた枝が最大限に生きてきます。
"桜のシャワーここにあり!" です。
見上げて良し、近付いて良し。
しだれ桜は 目線でお花を楽しむことができるのも 利点の一つです。
歴史ロマン秘める徳島の山中
国道438・439号
(国道重複区間は 若い番号を表記するのが通例)
ヨサクの峠の一つである川井峠の標高は約763m。
山側にしだれ桜
谷側に展望台
設置されたデッキからは、天気が良いと 四国第二の高峰・剣山(つるぎさん / 1955m)の眺望が素晴らしい。
徳島県の山中には、
源平合戦・屋島の戦いの後 平家の落武者たちが山中に逃れた 「平家落人伝説」
南北朝の争乱に敗れ 山中に逃れた 「南朝の末裔」
いずれも追手から逃れるために、徳島の深い山中を利して身を潜め 反撃の機会を待ち続けたことが共通しています。
特に後者。
南朝が置かれたのは奈良県の吉野山。全国随一と言っても過言ではない桜の名所です。
争乱により故郷を追われた人々は 生き続ける道を選び 敢えて不自由な山中で生活を始めました。何も無い山の中にせめてもの娯楽...
一年に一回花を咲かせる桜を眺めることで故郷(=吉野)を偲び、生きる勇気をもらった...
徳島県の山中では 他にも神山町が枝垂桜の名所となっています。
川井峠のしだれ桜
< 自家用車 >
高松駅から 約2時間10分、82km
高松空港から 約1時間50分、70km
徳島阿波おどり空港から 約1時間30分、59km
※ 主な地点からの最速・最短距離