清流四万十川を代表する沈下橋の損傷 < 岩間沈下橋 / 高知県四万十市 >
四万十川(高知県)
"最後の清流"
と称されるその流れは、四国のみならず 日本を代表する清流として、広く認知されています。
四万十川の沈下橋(ちんかばし)
四万十川の風景を盛り上げる存在の一つに、
"沈下橋"
があります。
「ちんかばし」
と読みます。
書いて字の通り、洪水の際などに 橋が川の流れに飲み込まれます。そうなることによって水の抵抗を和らげ、橋の流出を防ぎます。
大きな特徴は、余計な負荷を発生させないために 欄干を設けない。そのシンプルな姿が 観光で四万十川を訪れる人たちに人気です。
最近、沈下橋に異変がありました。
岩間沈下橋の損傷
四万十川流域 いくつかの場所で、沈下橋の損傷が報告されています。
岩間大橋(いわまおおはし / 高知県四万十市)
流域に数多く存在する沈下橋の中で、ポスター等によく登場する 四万十川を代表する沈下橋でしたが、ある日突然 橋脚が沈降。
コンクリートの橋桁が 突然V字に折れ曲がり、通行不能になりました。
沈降した橋脚と橋桁はその後 撤去され、その一部が 岩間沈下橋を見下ろす展望台に、ベンチとして移設されました。
橋の損傷が発生したのは 豪雨や台風時ではなく、ある秋晴れの日に 突然沈下したそうです。
岩間大橋の架橋は 昭和41年(1966)。
供用から51年の時を経て、一つの区切りとなったようです。
50年と言えば長い年月ですが、四万十川には 戦前に架けられて今も現役で供用されている沈下橋があり、一概に老朽化が原因とは言えません。
復旧が待たれる岩間大橋
岩間沈下橋の一つ下・口屋内沈下橋(くちやないちんかばし)も、遡ること数年前に橋桁が流されて その後橋は復旧したものの、今度は渡り口で土砂崩れが発生して 供用中止になっています。
この場所の少し上流・江川崎(えかわさき)で、愛媛県から流れてくる広見川(ひろみがわ)が合流。水量が増します。
豊富な水量を湛える四万十川の悠久の流れを形成する一役を担っていますが、それによって橋の負担も大きくなるのでしょうか。
四万十川を代表する風景という以上に、住民の利便性という点でも 早期の復旧が待たれます。
岩間大橋(岩間沈下橋)
< 自家用車 >
高松駅から 約3時間40分、262km(松山自動車道経由)
高松駅から 約3時間40分、246km(高知自動車道経由)
高知龍馬空港から 約2時間20分、139km
松山空港から 約2時間、120km
※ 主な地点からの最速・最短距離