元祖・海に一番近い駅 < 下灘駅 / 愛媛県伊予市双海町 >
愛媛県の県都・松山市から、列車に揺られること約1時間。
「海に一番近い駅」「青春18きっぷの聖地」等、すっかり有名になった下灘駅(しもなだえき)に到着です。
幹線途中駅→ローカル線→人気駅の変遷
下灘駅(しもなだえき / 愛媛県伊予市双海町)
駅と路線の歴史は古く、昭和10年(1935)6月開業。国鉄予讃本線(現JR予讃線)の延伸と共に下灘駅が設置されたが、当初は下灘駅が終着駅。4ヶ月後、伊予長浜駅まで延伸開業したのを機に、現在と同じ途中駅になった。
転機となったのは、昭和61年(1986)の内子経由の新線開業。それまで下灘駅を経由していた急行・特急列車は、全て新線へ移行。従来の海沿いの路線は旧線となり、普通列車のみが運行されるローカル線になった。
本線ルートから外れて寂れる一方だった予讃線旧線だったが、そのローカル感を逆手に取り 海沿いを走る風光明媚さと相まって、青春18きっぷのポスターに三度登場。下灘駅が「旅スポット」として認知されていき、「18きっぷの聖地」とまで言われるようになった。
平成26年(2014)から 四国初の本格観光列車として「伊予灘ものがたり」が運転開始。豪華ランチと相まって人気を博しています。沿線各地では乗客に手を振っておもてなしを行う運動が呼びかけられており、幹線時代とは違った形で賑わいを取り戻しつつあります。
伊予灘ものがたり の運転開始に先立って、下灘駅が所属する予讃線旧線(向井原 - 伊予長浜 - 伊予大洲)は「愛ある伊予灘線」の愛称が付けられています。
海から一番近い駅
ホームに出て見ます。
駅舎の中からプラットホームを眺めた時に、駅下を通る道路が見えず すぐ先に海があるように見える。下灘駅における 人気アングルの一つです。
プラットホームには囲いがある待合所はなく、屋根とベンチがあるのみ。海沿いで風が強く吹く場所でもあるので、雨降りの時はベンチにも吹き込みます。
が、現在この駅に訪れる多くの人たちにとっては 立派な待合所は必要ではなく、むしろこのような簡素な設備が 写真素材の一つとして喜ばれています。
「しもなだ」
旧式の駅名標が旅情を掻き立てます。これに剥き出しの電灯なんかあると猶良しですね。
JR四国規格の駅名標
下灘ばかりが有名になりましたが、地域の中心は お隣の「伊予上灘駅」
美しい海岸が続くことは当地と同じで、道の駅ふたみに併設されている「ふたみシーサイド公園」は、松山から気軽に来ることができる浜辺として人気です。
近年は夕陽スポットとしても人気上昇中
下灘駅の横を通る国道378号
今でこそ「夕やけこやけライン」の愛称が付けられた快走二車線になっていますが、この区間の元々の国道は 線路より山側の1~1.5車線の狭隘(きょうあい)な道路。通行には支障をきたしていましたが、その分海岸の埋め立てが行われておらず 今よりもっと海が近い駅でした。
沖に浮かぶ島は「猫好きにはたまらない島」として人気の「青島」
下灘駅から少し南に下った長浜港から定期船が出ています。
その奥に見える山並みは本州・山口県東部。
近年は夕陽スポットとしても人気が出てきているようです。
下灘駅
< 自家用車 >
高松駅から 約3時間20分、212km
松山空港から 約40分、27km
< 公共交通機関 >
下灘駅下車
※ 当エリアを運転する列車には、同じ行先でも「長浜経由」「内子経由」が二つ存在します。後者は下灘駅がある予讃線旧線を経由しません
※ 主な地点からの最速・最短距離
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