四国のおすすめ観光スポットをご紹介

縁結びにゆかりある、海から上陸する神社 < 鳴無神社 / 高知県須崎市 >

otonashi001.JPG

海へ続く参道と穏やかな海。

荒々しい太平洋に面した土佐にあって、こちらの海は穏やか。「土佐の宮島」と呼ばれる神社が高知県にあります。昨今、日本では新たに令和時代が始まりましたが、新時代の象徴である徳仁天皇陛下ゆかりの場所の一つとして、これから脚光を浴びることになるかもしれません。

対岸から見える鳥居

otonashi002.JPG

高知県須崎市・浦ノ内湾(うらのうちわん)
その神社は、横浪半島に遮られた穏やかな内湾の 一番奥まった部分に位置。対岸から道路沿いから、紅い鳥居を眺めることができます。

otonashi003.JPG

「鳴無神社」の看板のところを曲がって、県道から分岐。

鳴無は「おとなし」と読みます。

otonashi004.JPG

海と防波堤沿いの道路を進むと、遠くから見えていた赤い鳥居に到着。ここまでほぼほぼ自家用車かバイク・自転車でのアクセスになると思いますが、車両はこの鳥居手前の広い部分に停車するよう案内があります。

海へ延びる参道

otonashi005.JPG

赤い鳥居をくぐると、右手に鳴無神社境内。左手に防潮扉と 海のすぐそばに鳥居が立っています。

近付いてみると、

otonashi006.JPG

港のような、参道のような...

そのどちらも正解です。

otonashi007.JPG

鳴無神社の参道は「海」

都を逃れこの場所に流れ着いた一言主命(ひとことぬしのみこと)が上陸した経緯に従って、当社の正規参道は海から上陸する形になっています。

otonashi008.JPG

今回は自家用車で訪問しましたが、正期順路を重んじて 海から上陸する想定で、この場所から参道を進みます。

土佐始まりの地? 鳴無神社

otonashi009.JPG

鳴無神社(おとなしじんじゃ / 高知県須崎市)

otonashi010.JPG

祭神は一言主命(ひとことぬしのみこと)、又の名を味鋤高彦根神(あじすきたかひこねのかみ)と呼ぶ。これは土佐一宮・土佐神社(高知市)と同じ。

社伝によると、第21代雄略天皇との争いから逃れ 海に逃れた一言主命が流れ着いたのがこの場所。都の左に位置することから「都左」「土左」(いずれも読みは「とさ」)と呼んだ。
その後 より良い地を求めて占いを行ったところ、石を投げて落下した地が新たな居住地と定まった。その場所が現在の土佐神社であり、落下してその場所に鎮まった石が「礫石(つぶていし)」として祀られている。

その説を拠り所とすると、当地が「土佐命名の地」であり、旧縣社から引き継いだ格式を持つ「土佐神社奥の院」とも言える。

土佐山内家による再建

otonashi011.JPG

手水舎(ちょうずしゃ、てみずや)

藩政時代の土佐大名家・山内家の家紋「丸三葉柏紋(まるにみつばかしわもん)」があしらわれています。

otonashi012.JPG

現社殿は土佐山内家第二代藩主・山内忠義(やまうちただよし)公の寄進によって再建されたもの。藩政権としても重要視していたことがわかります。

otonashi014.JPG

本堂の脇には井戸があります。池や川が無い土地柄、真水の出る井戸は大変貴重だったことでしょう。往来する船にとっても、ありがたい給水所にあったに違いありません。

独特の習わしと、縁結びエピソード

otonashi015.JPG

鳴無神社独特の習わしの一つに「流しみくじ」があります。

otonashi016.JPG

授かった御神籤(おみくじ)の内容を読んだ後は、参道先の海に流すのが 当社の習わし。願いを込めておみくじを流しましょう。

様々な縁結びにご利益あり。とされる鳴無神社ですが、近年では皇太子さまと小和田雅子さん(現 第126代徳仁天皇陛下と皇后雅子さま)が結ばれたエピソードが伝わります。お二人のご成婚を願う宮内庁の側近が 鳴無神社で縁結びの祈願を行ったところ、お二人が結ばれました。それによって日本国民は幸せな気持ちになり、大きな安堵を得たことは記憶に新しいところです。

船で訪問することも可能

otonashi017.JPG

令和の現代、船での上陸参拝が可能かどうか...

可能です!

otonashi018.JPG

浦ノ内湾を航行する巡航船に乗船すれば、船でこの場所まで来ることが可能。

船着場「鳴無」は 鳴無神社参道から僅かに離れているので、こちらに上陸された場合は 徒歩で海からの参道に向かいましょう。

須崎市ホームページ「巡航船」

鳴無神社

< 自家用車 >
高松駅から 約2時間20分、170km
高知龍馬空港から 約1時間10分、49km

※ 主な地点からの最速・最短距離

関連記事

高知上空9

2018,2/17 空から見る高知県 < 高知県西部・中部 >

shinjokun003.JPG

2018,6/29 ゆるキャラ・しんじょう君が地域おこし。駅リニューアル。 < 土佐新荘駅 / 高知県須崎市 >

ryu001.JPG

2018,8/16 1200年前から続く海の遍路道 < 竜の渡し・巡航船 / 高知県土佐市・須崎市 >

junko001.jpg

2019,5/1 湾内を行き来する船は、子どもたちとお遍路さんとの貴重な足 < 須崎市営巡航船 / 高知県須崎市 >

この記事を書いた人

野瀬 章史
野瀬 章史/ゲストハウスそらうみ 四国八十八ヶ所霊場会公認先達 法名・照山の僧籍

四国高松でゲストハウスそらうみを運営する傍ら、四国八十八ヶ所霊場会公認先達として、お遍路さんの案内を務める。法名・照山(しょうざん)の僧籍も持つ。趣味はバイクツーリング、カヌー、登山、鉄道、料理など。日本の全離島・全地点を隅々まで回るべく、愛犬しょうとの日本一周旅の途上。