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江戸時代に京極家が約100年をかけて造った大名庭園(中津万象園&丸亀美術館|香川県丸亀市)

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1688年 丸亀藩京極家二代目藩主であった京極高豊氏により、この中津の海浜に中津別館として築庭された「中津万象園」。「中津万象園」という名前は「森羅万象」に由来しており、すなわち、宇宙に存在するすべてのものを意味しているんだそうです。壮大ですね~!
そんな壮大さを表現しているともいえる一つが、1,500本余りの常緑の松。エバーグリーンな松の緑が園内を歩く人々を包み込み、庭園の厳かさを感じさせます。

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面積5ヘクタールの庭園の中心には「八景池」と呼ばれる大きな一つの池が配置されています。これは、京極家発祥の地、近江の「琵琶湖」を模して造られたものです。
※余談ですが、京極家は佐々木源氏の末裔で、維新まで残った唯一の源氏なんですよー!

この「八景池」の中には、名前の通り、8つの島が浮かんでおり、島々が橋で結ばれた回遊式の大名庭園です。8つの島はそれぞれ「雪の島、雁の島、雨の島、鐘の島、晴嵐の島、帆の島、夕映の島、月の島」という名前がついています。これらは全て「近江八景」が、由来となっています。

「近江八景」とは、室町時代に、中国湖南省にある「洞庭湖の八景」にちなんで、関白・近衛政家氏が設定した近江の風景8選(比良の暮雪、堅田の落雁、唐崎の夜雨、三井の晩鐘、粟津の晴嵐、矢橋の帰帆、瀬田の夕照、石山の秋月)を指します。
ピンと来ないな~という方でも、浮世絵師の安藤広重氏による風景画でも有名なので、実は見たことあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

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入園して最初に見えてくるのが、万葉集歌人・柿本人麻呂氏が詠んだ歌碑。2023025nakatsubansyoen_028.jpg

飛鳥時代、柿本人麻呂氏が中津万象園の目の前を流れる金倉川の河口付近から港へ向かう途中で、風波を避けて挟岑島(現在の香川県坂出市・沙弥島)へ立ち寄り、「玉藻よし 讃岐の国は 国からか 見れども飽かぬ 神からか ここだ貴き 天地 日月と共に 足り行かむ 神の御面と 継ぎ来る 中の湊ゆ 舟浮けて 我が漕ぎ来れば 時つ風(万葉集 巻二より一部抜粋)」という歌を詠んだとされています。

園内に続く通路を抜けると、最初に見えてくるのが「邀月橋(ようげつばし)」。
長さ30mの朱色が鮮やかな太鼓橋です。
唯一、八景池の島々を繋がずに池を跨ぐので、邀月橋からは8つの島を俯瞰して見ることができます。

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ちなみに、邀月橋の手前に「オーディオガイド」の案内板があります。
スマホでQRコードを読み取れば、誰でも無料で使用できるので是非利用してみてくださいね! より一層園内散策を楽しめますよ。

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さーて、サクサク歩きますよ~!!

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まず目に留まったこちらは、松の中でも扇形の松は扇松。別名 美松(うつくしまつ)と呼ばれる松なんだそう。
枝が根元のあたりから出ていて、傘のような不思議なカタチです。
しかも、実はこちら、滋賀県の美松山の一局地に自生する天然記念物とされているんです。
それが香川県でも見られるなんてビックリ......!!

そして、そのビックリを更に超えてきたのがコチラ!!

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じゃじゃーん!!
すごくないですか?!もはや本当に傘です...!!!!!
枝葉の直径15m余り、樹齢600年といわれている「大傘松」。


また、これらの門として、「正寿関」という門も設けられており、くぐると長生きすると言われています。ちゃっかり、私もくぐらせて頂きました!

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また、この門の所に鯉のエサも設置されていました。そして、池を覗くとまるまると太った鯉たちがいらっしゃいましたよ~。笑

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「大傘松」から池に向かって進むと中二階の「観潮楼」があります。ここは、江戸時代に建てられた茶室で、現存最古の煎茶室とされており、庭園内から海潮の満ち引きが見られたそうです。

そんな「観潮楼」の近くには母屋があったり、船着き場があったり。陰陽石も発見(補足しておくと、陰陽石とは子孫繁栄を願った石組のこと)。古庭園らしさを感じることができる空間でした。

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次に向かったのが、「伏見稲荷分社」。
京都の伏見稲荷より分社された由緒あるお社です。
昭和57年に復元され地元有志により奉納が続けられており以前は60基程度だったのですが、2019年に令和新元号記念として百本鳥居となりました。幽玄な情景のフォトスポットで、結婚式の前撮りなどでも使用されています。

「竹の緑」と「鳥居の赤」の組み合わせが美しい。
ザ☆インスタ映えスポットですね!笑

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続いて、順路通り進んで、山茶花通りへ。
「シシガシラ(ツバキ科ツバキ属)」が咲き誇っていました。

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歩こうと目線を上げても、目線を下げても綺麗なピンクの世界。
咲き始めの薔薇のような姿も、ピンクの絨毯も美しかったです。

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山茶花通りを抜けると見えてくるのは、「石投げ地蔵尊」。
白い石にお願い事を書いてお地蔵様の足元に向かって投げ入れます。

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そして、もう1つ。
中津万象園にある3つめのお社が「弁財天」です。「鐘の島」にあります。

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京極家所縁の近江竹生島の弁財天が奉られています。知恵や財宝の福をもたらす神様ですね。


以上、ご紹介をした「伏見稲荷分社」「石投げ地蔵尊」「弁財天」の3つのお社を詣でることを「中津万象園の三社詣り」と称されています。こんなご朱印カードもいただきました。お財布に入れて1年間大事に保管しようと思います。ご利益ありますようにっ!

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その他にも園内は様々な植物があって、とても素敵なところでした。

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この緑色の橋(「回悼廊」)を渡って見る「月の島」の景色も本当に最高です。

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って、、、あれ......んんっっ?????今、一瞬、視界に何か.........

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分かりますか??

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鴨まで、同じ景色を眺めていました......!!!
ヒトだけでなく、鴨までをも虜にする景色ということですね。笑

そのほかにも、現在、中津万象園併設の「丸亀美術館」では、企画展「DIALOGUE VIA ARTS-アートがつなげること展-」が開催中。
社屋に飾られていたり、倉庫にひっそりと眠っていた普段目に触れることの少ない企業所有のアートたち。「なぜ、このアートがここにあるのですか?」という質問で紡がれる様々なストーリーとアートとの関係性が面白かったです。
猪熊弦一郎氏、東山魁夷氏、和田邦坊氏、川島猛氏をはじめとした数々のアーティストによる作品があるので、是非お時間が合えば尋ねてみてくださいね。

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企画展「DIALOGUE VIA ARTS-アートがつなげること展-」

開催期間 2022/12/10(土)~2023/03/05(日)
入館時間 09:30-17:00(入館は16:30まで)
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コトバスエクスプレスの降車場所となる「JR高松駅」から予讃線に乗車し、「JR讃岐塩屋駅駅」で下車。徒歩15分で「中津万象園・丸亀美術館」へ到着します。

※詳しい情報は外部サイトをご確認ください。

【中津万象園・丸亀美術館】
電話番号 0877-23-6326
営業時間 9:30~17:00(最終入館16:30)
定休日 年末
サイト:http://www.bansyouen.com/
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この記事を書いた人

コトバススタッフ
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