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春らんまん、2023年朝ドラ主人公 牧野富太郎博士の築いた植物文化の精華(高知県立牧野植物園|高知県高知市)

2023年春から始まる、NHK朝の連続テレビ小説(通称:朝ドラ)「らんまん」主人公のモデルとしても今大注目の「牧野富太郎博士」。

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笑顔がとってもチャーミングな牧野氏は、1862年4月24日、現在の高知県高岡郡佐川町に生まれました。
県土の約84%という森林面積日本一を誇る高知県。そんな高知の豊かな自然に育まれて、幼い頃から植物に興味を持ち、ほぼ独学で植物の知識を身につけていきます。

1889年27歳の時、創刊に携わった『植物学雑誌』に、新種「ヤマトグサ」を発表。日本人として国内で初めて新種に学名を付けました。このことをきっかけに「日本の植物分類学の父」として名を馳せるようになっていきます。

日本初の学名命名という功績をあげた後も数々の出版物を発行します。中でも、1940年に発行された「牧野日本植物図鑑」は、今もなお改訂を重ねながら、今日まであらゆる人々に愛用され続けています。

自叙伝において「草木の精かも知れんと自分で自分を疑います」と述べていた牧野氏。笑。
晩年、病床にあっても植物採集や珍しい植物を見つけた夢などを見て翌朝家族に話していたそうです。植物を愛し続けた牧野氏は1957年1月18日にご逝去されました。

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翌年、彼の業績を称え、「植物園を造るなら五台山がええ」という生前のご本人の声をもとに、1958年4月に高知市の五台山に開園されたのが「牧野植物園」です。
今では約3,000種類もの植物たちの魅力に触れることができる施設となっており、年間を通じて見頃の植物たちが、四季折々の彩りで迎えてくれます。

「植物園」という名前から、「えー?きっと地味なんでしょ?」と侮ること勿れ。正直、訪問するまで完全に侮っていた私が言います。

「「「めちゃくちゃ、楽しいです!!(大声)」」」


日本庭園とはまた違った"華"がある、といえば良いんですかね?
日本庭園が「心安らぐ」ものだとすると、ここ牧野植物園は「心華やぐ」といった感じです(分かり辛くてスミマセン...)。

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朝ドラ観光需要に向けて、整備された綺麗な駐車場から正門をくぐり。まずは高知県の豊かな自然を再現した「土佐の植物生態園」を通って、チケットを販売している「牧野富太郎記念館 本館」へ向かいます。


そして、、、「土佐の植物生態園」を歩く最中で見つけました!!!
バイカウオウレン!!!!!

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高知で春を告げる植物の一つ、バイカオウレンは牧野博士が特に好んだと言われ、晩年東京で暮らした牧野博士にとって故郷を思わせる懐かしい花だったそうです。

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早速良いものを見たなぁ♪と意気揚々としながら、入場チケットを購入。クレジットカードや電子マネーにも対応して、とても便利でした(取り扱いの支払方法詳細は高知県立牧野植物園の公式サイトをご確認ください)。


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そして、見てください!このなんとも美しき建物を...!!!

建築家 内藤廣氏の設計です。
建築コンセプトは、自然と人間が共生している仕組みを壊さず持続させていくための工夫が構造や設備などに活かすことで「建物を環境に溶け込ませる」ということ。

例えば、中央の木々は地下部分に植えられており、現在、来場した際には視線の高さで鑑賞することができます。しかし、実はこれ、長期的ビジョンも見据えて設計されており、木々が成長するにつれて、建物を覆い隠し、周辺環境に建物が溶け込ませるということまで想定されて作られているのです。
よって、いずれは「森に隠れていく建築」なので、今この時しか楽しめない植物のような「儚さ」と「強さ」を感じますよね。

また、樋(とい。屋根の表面を流れる雨水を集め、地上あるいは下水に導くための装置)が中央付近で切り取られ宙に浮いているのも特徴の一つ。樋の下に、水盤があることで、水生植物を楽しむことができます。
更に、それだけに留まらず、雨の日は樋を落ちる雨と水盤の飛沫が視覚化されるという新しい楽しみができ、加えて、水盤を通る風は冷やされることで熱負荷を軽減するクーリングの役目も果たしてくれます。まさに一石三鳥です。

と、まあ、「建物を環境に溶け込ませる」というコンセプトの解釈&実行術が凄すぎるんですよね...。


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さて、長く語ってしまいましたが、まだまだこの時点では入場しただけ。
更なる感動を求めて、約8haもあるので、地図を見ながら計画的にまわっていきますよー!

ちなみに、園内の看板にある「まきのQRガイド」というQRコードを予め読み取っておけば、手持ちのスマートフォンで、植物園ガイドを使用することもできます。新たにアプリなどを入れる必要も無いので、とても便利です!

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まずは回廊に向かい、横道にそれて「こんこん山広場」をくるっと一周。展望台やベンチなどもあり、お弁当を持ってピクニックするにもとても良さそうなスポットでした!

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その足で、お次は「ふむふむ広場」へ向かいます。

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この広場の面白い特徴が、なんと...植物にさわってOKなんです!

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お言葉に甘えて、ローズマリーをプチっとさせていただき...スリスリ。あ~!いい香りがします~!!癒し~!!

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ほかにも、レモンやハッカなどなど...ハーブがたくさん。あぁ、浄化されます。笑

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それから、この広場では、名前は聞いたことがあるけれど見たことが無かったこんな植物たちにも出会いましたよー!

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クチナシ(梔子)。
サフランと同じ黄色い色素成分「クロシン」を含んでいるため、栗きんとんや沢庵など、料理の黄色い色づけに使われるクチナシの実。
花言葉は「とても幸せです」「私は幸せ者」「喜びを運ぶ」「洗練」「優雅」等、ポジティブなものばかりで元気を貰えます!笑


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ジンチョウゲ(沈丁花)。
松任谷由美さんの「春よ、来い」の歌詞に登場したり、最近だとDISH//の曲名にもなっていますよね。へー!こんなお花なんだなぁ。
花言葉は「永遠」「不死」「不滅」「栄光」等。由来はジンチョウゲが常緑樹で、一年中みずみずしい緑の葉をつけることからなんだそう。


いや~!ココ、めっちゃ楽しいな~!!!と、次なる目的地「牧野富太郎記念館展示館」への回廊もあと少し...というところで発見しました!!!

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今回私が絶対に見たかったのがこの「スエコザサ」。学名は「Sasaella ramosa var. suwekoana」。

牧野富太郎博士が94年の生涯において命名した植物は、なんとその数1,500種類以上といわれていますが、その中でもエピソードとして名高いのがこちら。

1927年仙台で発見したアズマザサの変種。原因不明の病で先立ってしまった妻の寿衛(スエ)さんへの感謝をこめて「スエコザサ」という和名を与えたんだそうです。愛情深く、仲睦まじい夫婦愛を感じるお話ですよね。

さらに、実は併設のショップ「Botanical Shop nonoca」で"スエコザサ"を使用した、ここでしか買えない「オリジナルブレンドティーも販売しているんですよ~!

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その商品名は「Makino original blend tea」。

牧野富太郎博士ゆかりの植物や、漢方で使用される薬用植物などをテーマにしたオリジナルブレンドティーとなっており、野草やハーブとのブレンドバランスを楽しむことができます。

パッケージの植物画は、牧野植物園のアドバイザーで植物画の講師もつとめる稲垣典年氏が手掛けたんだそう。手に取りたくなるなんとも繊細で可愛らしいパッケージです。

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ティーバッグタイプのラインナップは、Sueko-zasa (スエコザサ)、Kekemponashi (ケケンポナシ)、Misohagi (ミソハギ)、Yuzu (ユズ)、Toki (トウキ)、Daidai (ダイダイ)、Kōzo (コウゾ)の7種類。

私も実際に、スエコザサをいただいてみました。
こちらは、釜炒り茶、ドクダミ、スエコザサ、ペパーミントがブレンドされているとのこと。
ミントの爽やかさが抜ける感覚と共に、ササの葉の香りも感じることができて。なにより飲みやすい!!!


元来「ササ」には、防腐・殺菌作用があり、リンパ液の流れを良くしたり、解毒作用によって胃もたれや高血圧などにも効果があると言われています。例えば、笹にくるまれている富山の「マス寿司」を思い出していただくと、イメージしやすいかもしれません。

そんな健康効果もあるとされる笹を摂取したい気持ちはあれど、いかんせん、パンダのように笹をもぐもぐするのはちょっと難しいので。笑
こんな風にブレンドティーにしてもらえると凄く良いですね!


「Makino original blend tea」の他にも、ショップでは、牧野博士のスケッチを元にデザインされたポストカードやクリアファイル、手ぬぐいなど多様なグッズが販売されていました。ぜひ、ご訪問の際はグッズもチェックしてみてください!

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さて、再び、庭園内にお話を戻しまして...。

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「牧野富太郎記念館展示館」では牧野氏の写し絵などを拝見することができます。緻密なスケッチと書き込みの凄さから、植物愛がヒシヒシ伝わってきますよね。当然とも言えますが、この牧野氏の表現力は、世界的にも高い評価を受けています。

総じて「牧野式植物図」とも呼ばれていて、単なる写生ではなく、複数の個体を観察したうえで、その植物の典型的な形態をとらえている点、花期や果実期など各生長段階を精密に描写している点が最大の特徴です。

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牧野博士の生涯を学んだ後は、続きまして、「温室」へ向かいます。
連絡道を通っていくのですが、地図では結構な距離に見えたそれも、道中に「リュウキュウアセビ」や「カラカサタケを手にした牧野富太郎像」を始めとした見所があちこちにあるので。気が付けば、あっという間に到着してしまいました!

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目的地の温室に到着し、温室に一歩、足を踏み入れたそこは「みどりの塔」と呼ばれる場所です。ふと、天井を見上げるとこんなに素敵な景色が広がります。

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大木の洞窟をイメージした高さ9mの塔になっており、壁面にはアコウやシダ植物などが植栽されています。 植物の根で作られたドームを目指して、現在も成長中。
見るたびに違う景色がそこにあるんだと思うと、わくわくしますよね!

そして、その塔を抜けると、文字の通り「花道」が現れます。

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花道を抜けると、そこでは色鮮やかな熱帯植物を年間通して楽しむことができます。

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普段、鉢植えに入れられた胡蝶蘭しか見たことが無かったのですが、こんな風なオシャレな飾り方もあるんだなー!という発見にもなりました。


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そして、この細長い緑の植物。
一体何か分かりますか?


皆さん、よくご存じの「アレ」です。

そう!


これ、実は、バニラなんです...!!!!

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バニラってラン科なんですね。初めて知った...!!

もう、なんか、名前は知っていたけれども「実物知らなかったー!!」が非常にたくさんあって。いろいろと衝撃的な一日でした。笑

今回ご紹介したエリアのほかにも、北園にある「芝生広場」「さくら・つつじ園」「薬用植物区」。南園にある「少年広場」「結網山」「土佐寒蘭センター」など、見所スポットはたくさん。

さらには、この春、南園に3階建ての新研究棟が完成予定となっています。1、2階に研究の見学スペースやキッズラボ。最上階には南園の景色が見える眺望抜群のレストランが作られるんだとか。

まだまだ魅力を増していく、植物文化の精華を結集したかのような「高知県立牧野植物園」。
季節を変えて何度でも足を運びたくなること間違いなしです。


コトバスエクスプレスの降車場所となる「JR高知駅」からタクシーにて約20分で「高知県立牧野植物園」に到着しますよ。

※詳しい情報は外部サイトをご確認ください。

【高知県立牧野植物園】
所在地 〒781-8125 高知県高知市五台山4200-6
営業時間 9:00~17:00(最終入園16:30)
定休日 12/27~1/1、メンテナンス休園 所定日
サイト https://www.makino.or.jp/
#四国 #高知 #高知市 #五台山 #牧野富太郎

この記事を書いた人

コトバススタッフ
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