時間制限ナシ! 写真撮影OK! アートを見て触れて楽しむ世界旅行 後編(大塚国際美術館|徳島県鳴門市)
前回、語るに語らせていただいた「大塚国際美術館」。見所があまりにありすぎて、厳選しているにもかかわらずボリュームが大きくなり過ぎたので、2回に分けてお送りします。
というわけで!
大塚国際美術館 後編。どうぞお付き合いくださいませ。
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後半のトップバッターはまず、大塚国際美術館の名物の一つ。
観賞人気ランキング一位を誇るゴッホの「ヒマワリ」から。
ゴッホはヒマワリの絵を生涯において十数点描いており、その中でも花瓶に活けられたヒマワリは7点描いたとされています。それぞれ大きかったり小さかったり、色合いの変化があったり。こんなふうに見比べられるのは、実は、この大塚国際美術館以外には不可能なんです。
というのも、実はこの7点のヒマワリの中には、第二次世界大戦の折に空襲を受けて焼失したもの。そして、所蔵先が作品の劣化を防ぐため今後貸出不可を謳っているものがあり、もう二度と、この7枚のヒマワリの画が、一か所に揃うことは無いんですね...。
▼ヒマワリ(ゴッホ)<日本・芦屋で消失>
会場では、左からゴッホが描いた時系列順に飾られており、1~4枚目までは1週間ほどでヒマワリが咲く夏の時期にゴッホが描いたものだそうです。そして、5~7枚目はなんと、冬に書いたヒマワリの画なんだそう。つまり、実物のヒマワリが入手不可能な時期だったので、これらの3枚については、自身が描いた3枚目のヒマワリを模写しながら描いたと言われています。
▼模写元ヒマワリ
▼模写ヒマワリ
ちなみに「ヒマワリ」以外にも、もう一つ。
現在所在不明となってしまっていて、ここでしか見られないゴッホの画があります。
それがこちら。
▼タラスコンへの道を行く画家(ゴッホ)
複数の自画像を残しているゴッホですが「唯一全身の自画像を描いたのはこの作品だけ」と言われています。こちらも、第2次世界大戦中に行方がわからなくなったそうで...。戦争は本当に嫌だなぁ、と思うばかりです。
また、大塚国際美術館25周年記念として、追加展示となる「夜のカフェテラス」も公開されていました。
▼夜のカフェテラス(ゴッホ)
ゴッホが初めて星空を背景に使って制作したのがこの「夜のカフェテラス」だと言われています。
当時普及し始めていたガス灯がテラスを明るく照らす賑やかな感じと、星がしっとりと光る夜空とのコントラストが美しい作品ですよね。
私は、ゴッホの「ローヌ川の星月夜」が一番好きなのですが、この夜空が最初だったのかー!と感慨深かったです。
▼ローヌ川の星月夜(ゴッホ)
次は、青色が実に美しいスクロヴェーニ礼拝堂。
14世紀における最も重要なイタリア人画家、ジョットの作品です。
▼スクロヴェーニ礼拝堂壁画(ジョット)
キリストの母、聖母マリアのシンボルカラー「青」で装飾をされている厳かな空間。各所に散りばめられている星模様もマリアの象徴「海の星(ステラ・マリス)」を表現しているそうです。
こちらは、高利貸で財産を築いた一族出身のスクロヴェーニがパトロンとなって創設された施設。当時、過剰に利子を取る高利貸はキリスト教の秘跡を受けられなくなるほどの重大な罪とされていたことから、罪滅ぼしの為に高利貸しで稼いだお金で立派な礼拝堂を建てることで「なんとか例外的に天国に連れて行って!」というお願いをするための建物なんだそう。笑
なんだか卑しい人間臭さを発祥に、こんなにも美しく神聖なものが出来上がるというのが、皮肉を感じて面白いなぁと思います。
▼エル・グレコの祭壇衝立復元(エル・グレコ)
この作品も"ここでしか見られない作品"です。
というのも、こちら、6枚の絵が合わさって本来1つの作品となるものなのですが、この6枚の絵のうち、戦争を理由に、今はバラバラの場所に所蔵されているのです。そのため、6枚の絵をこのように見ることができるのは、大塚国際美術館だけ、なのです。
この高さ12mという大きさだけでも圧巻なのですが、使用されている額にもこだわりがありまして。なんと、この額。本物の「金箔」が使用されているんです!
素人目にも作品のスケール感が一層増して、荘厳さを感じられるわけですね...。
実物はホント、キランキランですよ。。。
▼モナ・リザ(レオナルド・ダ・ヴィンチ)
言わずと知れた名作ですよね。でも、こんなに有名な絵にも関わらず、未だモデルが誰なのかは未だ分からないという謎も多い作品。
右、左、下、本当にどの位置からも目が合います......。不思議。
さぁて、いよいよキリが無いので。笑
このあたりで個々の作品紹介は終了で......。
このほかにも、大塚国際美術館では、ムンク、ドガなどの有名画家をはじめ、様々な作品が展示されています。また、修繕前後で見比べることができる「最後の晩餐」の画なんかは、前後の違いを楽しめて、大塚国際美術館らしい、独自性のあるオリジナル展示センスが光ります。
館内はとても広いので、たくさんのチェアが置かれています。
私がこの美術館の好きな推しポイントの一つだなー!と強く思ったところなのですが、そのチェアたちもきちんとそのエリアのアートの雰囲気に合わせたチェアが設置されているんですよね!
たとえば、上の写真だと、ドガのバレリーナの絵たちと、このロココ調の高級劇場での椅子のような雰囲気が、まるで劇場にバレエを見に行った時の高揚感を演出してくれていて...たまらなく心に刺さりました。
ぜひ、皆さんもお休みになられる際は、せっかくならば、そのエリアのアートと家具の相性の良さにも注目してみてくださいね!
お土産も買えるミュージアムショップでは、名画が少しデフォルメされていてコラボ商品がたくさん販売されていました!
中でも、売り場でひと際目立っていたのがこちら!笑
どらやきにもしっかりとムンクの焼き印が押されています。
厚めの生地に、粒感のある小豆が包まれた一品です。
そして、こちらが...
朝、昼、夜という1日の3シーン別に楽しむコーヒードリップバッグ。
地元鳴門で愛される「ザ・コーヒービーンズ」に依頼をして作ったオリジナルコーヒー。
しかも、こちら、高品質で希少とされるスペシャルティコーヒー!
味に深みがあり、心底、良い買い物したー!と思える逸品でした。
もう一つ購入したのが、、、
徳島銘菓で一番大好きなマンマローザとのコラボ商品!
わたしの中で、貰って嬉しい全国の銘菓ベスト10の上位に君臨する銘菓!!
マンマローザの徳島県産牛乳を使用したしっとりなめらかなミルク餡の優しい味と、「牛乳を注ぐ女」の穏やかなデザインがマッチしています。
ポストカード付きなので、美術品が好きなあの人へお土産にどうぞ◎。
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美術品に興味を持ってから、初めて訪れた今回の大塚国際美術館。想像以上に広大な敷地で、想像以上に作品数があって。とにかく、めまぐるしくて。
平均滞在時間は「3~4時間」だそうですが、全作品をしっかり見ようと思うと、とてもそんな時間ではムリです! 1日かけたとしても、、、どうだろう...? 情報が多すぎて、身体の疲労よりも先に脳の疲労感を感じるくらいでした。笑
ただ、その分、コスパも見応えも抜群に最高です。
隣に居合わせた方がポツリと呟いた「陶板といえど、こんなにも色の褪せ方などまで綺麗に出ていて。偽物とわかっていても、本物みたい。別の時代にいるようだわ。」という言葉。
その言葉が、まさにこの大塚国際美術館の神髄を表す言葉だと思いました。
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コトバスエクスプレスの降車場所となる「JR徳島駅」からタクシーにて約35分で「大塚国際美術館」に到着しますよ。
※詳しい情報は外部サイトをご確認ください。
【大塚国際美術館】
所在地 〒772-0053 徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65-1
営業時間 9:30~17:00
定休日 月曜日、1月は連続休館あり、その他特別休館あり、8月無休
サイト https://o-museum.or.jp/
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