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養殖発祥地・引田で叶える"知識と味覚の冒険"(マーレリッコ&ワーサン|香川県東かがわ市)

2025年の瀬戸内国際芸術祭で、新たに仲間入りする「東かがわ市・引田エリア」。その魅力を一足先にお届けします!

香川県の東端に位置する東かがわ市。その中でも「引田(ひけた)」は、かつて瀬戸内海を行き交う船の重要な寄港地として、風待ちの港として知られ、にぎわいを見せてきた歴史ある町です。

そして、引田といえば冬の名物「ひけた鰤(ぶり)」。11月上旬から1月中旬にかけて楽しめるこのブランド魚は、豊かな海と地元の情熱が育んだ逸品です。

でも、なぜここ引田で"ひけた鰤"が生まれたのでしょうか?
その秘密を紐解いていきましょう!


実は、「ひけた鰤」の秘密は、引田にある「安戸池」と、その"ブリ"の成長前の名前である"ハマチ"に深く関係しているんです。

昭和3年、この安戸池の地で、野網和三郎(のあみ わさぶろう)さんが日本で初めてハマチの養殖事業化に成功しました。この歴史的な一歩が、引田を"養殖発祥の地"として知らしめることになり、現在の「ひけた鰤」へとつながっています。


野網さんが養殖業を始めるにあたり、いろいろな魚の養殖を試した結果、ハマチが一番環境適応能力が高く、養殖に向いた魚だったそうです。戦時中には、餌の入手が困難となり一時は休業を余儀なくされた野網さん。しかし、その後も養殖業の復興と発展を支え続けました。当時、野網さんが養殖に成功したハマチの大きさは約1.5kgほど。現在、天然のハマチは4~5kgのものが一般的に出荷されるため、当時のサイズは小さく感じるかもしれません。とはいえ、赤潮被害などの困難を乗り越え、多くの漁業関係者が絶え間ない努力を続けてきた結果、養殖技術は飛躍的に発展し、より大きく成長したハマチが現在の基準となったのです。その歴史には、数多くの挑戦と進歩の物語が刻まれていることが分かります。

現在ハマチの養殖所は「安戸池」ではなく、沖に設置された「大生け簀」へ養殖所を移しています。そこですくすく育って成長したものが「ひけた鰤」の名で11月上旬~1月中旬頃まで出荷されています。今年も2024年11月8日(金)に解禁されており、スーパーの鮮魚コーナーや飲食店でも「ひけた鰤」が取り扱われはじめました(地元でとれた美味しい鰤がいただけるなんて、本当にありがたいし、嬉しい限り!)。

また、野網さんの養殖成功は、引田の"観光地"としての魅力も再興させました。養殖成功を機に、昭和20年代には安戸池の観光地化が進み、ハマチ釣り、海女の実演、遊覧船、周辺には旅館もあったそうです。全盛期の昭和30年頃には1日1,500人もの観光客が訪れ、その中には皇族もいらっしゃったそうです。


ところで、安戸池は"池"という名前にも関わらず"海水"が流れています。それは一体なぜでしょう?
安戸池は、もともと陸地によって大半が囲まれたような奥行きのある湾(内湾)でした。そんな内湾に、沿岸を流れる潮流で砂が運ばれることにより砂や小石が堆積して、砂州(さす)が形成され、海から区切られるような形で「池」になりました。そのため、安戸池には海水が残っているのです。
つまり、"自然が形成した天然の生け簀"だったわけですね!

前述の通り、現在安戸池の中でハマチの養殖は行われていませんが、安戸池のほとりには「フィッシュフック」「体験学習館マーレリッコ」「ワーサン」という3つのアクティビティ施設があります。
それぞれ日本最大級の海水釣り堀、触って遊んで学べる海の体験施設、ハマチやブリを味わえる土産&食堂の施設となっています。


「体験学習館マーレリッコ」さんでは、世にも珍しい「ハマチの餌やり体験」ができるとのことで、今回体験に行ってきました!!



安戸池の上に建っています!
ちなみに「マーレリッコ」というのは、イタリア語で「豊かな海」を意味するそうですよ。入口では大きなハマチがお出迎えしてくれました。



入口で入館料を払って館内へ。餌やり体験はこちらで申し込みます。館内には、ハマチ養殖やお魚について学べる様々な展示がありました。










2階の窓からは「安戸池」を一望することができます。桟橋の先にある2つの正方形の生簀で、餌やり体験ができるそうなので早速向かってみましょう!


ハマチたちにあげる餌がこちら。


魚粉・魚脂・栄養がバランス良く配合されており、ハマチに最も適したサイズ(約12mm)となっています。重さはだいたい5g程度で、ある程度の重さのある餌にしておくことで、回遊魚であるハマチが生み出す波にも負けず、餌としてきちんと消費されるようになるそうです。またこの餌は、熱で圧縮をして、殺菌処理もされています。そのことにより、餌としての安全性が増すのはもちろん、水分が少ない餌となるので引き締まった味の魚になったり、抗酸化作用で変色を抑えることもできます。
"餌"一つに着目しただけでも、養殖にはこんなにも工夫があるんだ!ということに感動しました。

この生簀1つには、ハマチが約400匹ほど。(そして、この子たちがだいたい1.5kgとのことなので、ハマチ養殖に成功した当初販売されていたのはこれくらいのサイズのハマチだったということですね。十分大きくて立派なサイズ感)。この深さ5mある生簀に向かって、餌を投げ入れます。


すると.........


ひょえーーーーっっっ!!!!!

餌を投げ入れると、池の中をものすごい勢いでグルグル回遊していたハマチたちが、もの凄い勢いで飛びついてきました!!水しぶきバシャバシャ...!!!! その迫力にびっくりして、思わず笑ってしまいました。これは想像以上にインパクトがあります!!たのしい!!笑


希望を伝えれば、ライフジャケットをお借りすることもできるそうなので、小さいお子様連れの方にも安心して楽しめますよ。海のアクティビティの候補の一つとして、オススメです!
※1月~3月の冬季期間は「ハマチの餌やり体験」アクティビティがお休みになってしまうのでご注意を!

楽しかったハマチの餌やり体験も終えて、たくさん笑ったところでお腹がすいたのでお隣の「ワーサン」さんへ向かいましょう。


この「ワーサン」という店名は、養殖を成功させた野網和三郎さんの愛称から名づけられました。「ワーサン」さんの1階は売店。入って右手に2階へ向かう階段があり、その先が食堂になっています。




残念ながら私が訪問したのは「ひけた鰤」解禁の前日だったので、この日のレジ横のショーケースは何もありませんでしたが、シーズン中にはこのショーケースに「ひけた鰤」が店頭に並びます!


沖の大生け簀から「ひけた鰤」を生きたまま店に持ってきて、店頭で締めるという流れで販売されるので、鮮度はバツグン!
年末の忙しい時期でもその方法は変わらないので、昨年末は4日間で1,000本も売れたそう。これまでの販売実績による信用の高さが伺い知れますね。年々注文数も増えているそうなので、縁起も担げる出世魚のブリを高鮮度に食べたいならば、「ワーサン」さんで早めにご予約することをオススメします◎。




階段を上がって2階の食堂はこんな感じ。ここからも安戸池の穏やかな景色が広がっています。メニューは「オリーブハマチ丼」を選びました。じゃーん!!


はい、美味しそう~!
「ブリ丼だし」をくるっとかけて、お楽しみの実食です。


ん、んん~っ!!!!

しっかりとした脂があるのに、しつこさが後に残らずあっさりしていて。ぷりっとした噛む歯に弾力を感じる食感。ふっくらご飯と肉厚な切り身の相性抜群。見た目の段階で予想していましたが、おいしいです。塩味のきいた香り深い「ブリ丼だし」も、更なる美味しさを引き立てています。

夢中になって、あっという間に完食してしまいました。
あー、もっと食べたかったー!!


帰り際には、1階で気になっていたレジ横に置かれた「塩海苔」を購入。


帰宅後、早速いただきました!
海苔の密度がしっかりとあって、ごま油の香ばしい香りと、塩味がとてもバランスよく。ほかほかご飯とこれがあれば幸せになれそうです。引田産塩海苔、自信をもってオススメします!!

更に、ここで、館長の六車さんから教えていただいた耳寄り情報☆彡
なんと、安戸池では今年から牡蠣の養殖を始めており、来年2月から3月に向けて初出荷を目指しているそうです! 一般的な紐を使った方法では安戸池の水深に適さないため、徳島の会社と協力し、蓋付きのカゴを使用する独自の仕組みを試験導入。その中で、カゴを時々ひっくり返したり、一度海水から完全に上げて飢餓状態を作った後に戻すなど、牡蠣がより栄養を蓄えられるよう工夫されています。こうした特別な育て方が軌道に乗れば、安戸池の牡蠣はブランド化される可能性も?! 将来、志度だけでなく引田も「牡蠣の名産地」として知られる日が来るかもしれませんね!(わくわく)

長くなってきたので、今回はここまで。
次回からは「引田の古いまち並み」を散策しに行きますよー!お楽しみに!

※詳しい情報は外部サイトをご確認ください。

【マーレリッコ】
所在地 〒769-2901 香川県東かがわ市引田4373
営業時間 9:00~17:00(受付16:00まで)
定休日 火曜、年末年始
サイト https://saltlake-hiketa.co.jp/marrericco/

【ワーサン(1Fふるさと特産品コーナー)】
所在地 〒769-2901 香川県東かがわ市引田4373
営業時間 7:00-16:00
定休日 年末年始
サイト https://saltlake-hiketa.co.jp/wa-san/

【ワーサン亭(2Fレストラン)】
所在地 〒769-2901 香川県東かがわ市引田4373
営業時間 10:30-13:30
定休日 火曜、年末年始
サイト https://saltlake-hiketa.co.jp/wa-san/

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コトバススタッフ
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