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宇多津の魅力を満喫! 古代米と伝統の塩を堪能する旅(うたづ海ホタル|香川県綾歌郡)

皆さんは、宇多津町の魅力を知っていますか?
塩田地として有名なこの地域に「さぬきの古代米」という特産品があるんです。私も最近まで知らなかったのですが、先日宇多津を訪れる機会があり、「うたづ海ホタル」にも立ち寄ってみました。

というわけで、今回は「宇多津の魅力に触れる旅」をお届けします!


「道の駅 恋人の聖地 うたづ臨海公園」内にある「うたづ海ホタル」。



こちらでは、芝生広場や遊具広場、水族館、恋人の聖地モニュメントや復元塩田、カフェや休憩所など、のんびり過ごせそうな場所が集まっています。ポケモン好きなら見逃せない「ポケモンマンホール」(通称「ポケふた」)も発見しましたよ!


まずは、売店コーナーでお買い物。コンパクトなスペースですが、他では見たことがない魅力的な商品がたくさんありました。


悩んだ末に、「入浜式の塩」と「さぬきの古代米を使った讃岐うどん」、「リセノワール(低アルコール飲料)」をチョイス。


購入の際は、売店コーナーの向かいにある事務所でお支払いします。商品の感想は後ほど詳しくお伝えしますね。

次に、うたづ海ホタルの建物横に復元された塩田を見学しました。


こちらが、昭和63年に復元された「入浜式塩田」と「かん水(濃い海水)を煮詰めるための釜屋」です。



瀬戸内海に面し、雨が少なく日照時間が長い香川県は、かつて日本一の塩の生産量を誇るほど製塩業が盛んで、宇多津には江戸時代以降、大規模な「入浜式塩田」と呼ばれる日本独特の製塩法がありました。最盛期には、総面積約200ha(2,000,000㎡)もの塩田が広がり、宇多津の海岸線は見渡す限り塩田だったそうです。

昭和47年に塩田は廃止されましたが、数百年にわたり宇多津の町を支えてきた塩づくりの知恵と技を後世に伝えるため、昔ながらの塩づくり体験ができる場所として入浜式塩田が復元されました。昭和63年に復元されたこちらの塩田は約900㎡。かつてはその2,222倍もの広さだったと考えると、その規模感の凄まじさに圧倒されますね。

基本的な塩の精製方法は「海水を煮詰める」ことです。しかし、海水中の塩分濃度は約3.4%で、1リットルの海水から採取できる塩はわずか約34g。そこで、海水をそのままに詰めるのは効率が悪いため、海水を濃縮して濃い塩水にしてから、塩の結晶を取り出す方法が考案されました。

日本では奈良時代頃から砂を使った製塩法が確立され、砂地へ海水をどのように注入するかによって「揚浜式(あげはましき)」と「入浜式(いりはましき)」の2種類に分けられます。「揚浜式」では人力で海水を汲み上げますが、「入浜式」では潮の干満の差を利用して海水を引き入れるのが特徴。宇多津では、後者の「入浜式」が採用されていました。

潮の干満の差を利用するためには、遠浅の海岸で満潮・干潮を考慮し、適切な高さの土地に塩田を築く必要があります。つまり、土地の選定段階からすでに先人たちの知恵と実行力が光っていたわけですね。そんな歴史を感じさせる「仲桝塩田の水門」も展示されていました。これは石造りの水門として日本一ともいわれ、百年の潮波に耐えた登録有形文化財です。





「入浜式塩田(いりはましきえんでん)」では、広い砂地を利用して海水を濃くし、塩を作ります。その製塩方法を簡単にご説明しましょう。

【1】海のそばに作られた「塩田(えんでん)」に海の水を引き入れます。そして、その海水を砂にしみこませます。このとき、塩を作るのにちょうどいい量の海水を入れることが大切になります。


【2】塩づくりをする人たちは、「馬鍬(まぐわ)」という大きな熊手のような道具で砂をならしたり、ひっくり返したりします。その馬鍬を引いた跡がこちら。この作業によって、太陽の光と風がたくさんあたり、砂の中の水がどんどん蒸発していきます。


【3】砂の表面に白い塩の粒ができたら、塩がたくさん含まれたこの砂を「沼井(ぬい)」という大きな四角い穴に集めます。そして、そこに新しい海水を流し込み、砂に残っている塩をしっかり溶かして、「かん水(かんすい)」と呼ばれる、とても濃い海水を作ります。


【4】さらに、そのかん水をこの濃縮台で循環させることで、なお一層"濃いかん水"状態にしていきます。



【5】最後に、濃縮されたかん水を、かやぶき屋根が目印の「釜屋」の中にある、大きな窯(かま)に入れて、火でぐつぐつと煮詰めます。私が伺った日は作業日で釜屋の見学はできませんでしたが、見学希望の方は事務所にお声掛けしてみてください。



こんな流れで、最終的に大きな窯でぐつぐつと煮て、水分がなくなると、塩だけが残ります。このようにして、美味しい塩が完成するのです。

昭和47年に化学製塩法が導入されるまで、伝統的な製塩業は多くの人々の生計を支えていました。しかし、その作業は過酷そのもの。太陽の熱を利用することが前提であるために灼熱の砂の上を歩きながら、朝4時から18時頃まで、砂を移動させたり、砂に海水を掛けたり、海水を運んだりの重労働。さらに、雨が降れば塩の濃度が下がり、砂に着いた塩が全て流れてしまうため、作業は振り出しに戻ってしまう。そんな苦労を経て作られた塩の価値は計り知れません。
そして今もなお、その伝統的な製法を守り続ける人々がいることに、改めて感謝の気持ちを抱きました。

「うたづ海ホタル」の建物内には、「浜引き唄」の歌詞が展示されています。


これは馬鍬を引く際に歌われていた唄で、"炎天下の作業で親も子も日焼けしてしまう""雨が降ると作業が中断し、家族みんなで困ってしまう"といった、当時の塩田労働者の暮らしぶりを垣間見ることができます。建物内ではほかにも動画や資料展示があり、塩づくりの歴史を学べます。



そして、塩とともにもう一つ紹介したいのが、宇多津の特産品「さぬきの古代米」です。


古代米とは、昔から栽培されていたお米の原種を指し、宇多津町では特に「紫黒苑(しこくえん)」と「朝紫(あさむらさき)」という黒米の品種が育てられています。
古代米は、白米には含まれていない抗酸化作用のあるアントシアニン(ポリフェノールの一種)をはじめ、鉄分、カルシウム、マグネシウム、ビタミン(B1、B2、E)、食物繊維などの栄養素を含んだ、栄養的にも優れたお米です。白米に少量混ぜて炊くと、ふんわりピンク色のごはんが炊き上がり、もちもちとした食感が楽しめます。


かつて古代米は"お祝いのお米"として尊ばれていましたが、一時途絶えていました。地域の農家が「街や人を元気にしたい」との思いから再び栽培を開始し、平成18年には「宇多津古代米生産組合」が立ち上がりました。令和2年には法人化し「農事組合法人宇多津古代米組合」となり、約3ha(30,000㎡)の休耕地を利用して「古代米」を生産したり、加工品の開発・販売に取り組んだりするようになったそうです。

さぬきの古代米やその加工品は、うたづ海ホタル等のショップで購入する以外にも、ふるさと納税の返礼品としても選ぶことができます(調べていると、返礼品の中には「さぬき古代米アイスロールケーキ(アマンデ洋菓子店)」もあるらしく、非常に気になります......!)。

そんな、地域の想いが詰まっており、健康志向の方にも最適な「さぬきの古代米」。
「でも、やっぱり一度食べてみないとなー......」と思ったそこのあなた。ご安心ください。なんと「うたづ海ホタル」内の「海と空のカフェ」さんにて、さぬきの古代米を味わうことができます!(パチパチ????)



古代米を使ったメニューは大きく2種類あります。
「古代米サンド」という古代米粉をブレンドした食パンを使用して具材をサンドイッチと、「古代米ドリア」という古代米を混ぜて炊き上げたライスに宇多津入浜式の塩で味付けしたホワイトソースを使用したドリアです。
「古代米サンド」は、「B.L.T.(ベーコン、レタス、トマト)」「レンコンチキン」「りんごとクリームチーズ」の3種類から。「古代米ドリア」は、「いろいろキノコ」「オイルサーディンとほうれん草」の2種類から選ぶことができます。

無類のチーズ大好き人間なので、ここは「オイルサーディンとほうれん草の古代米ドリア」をセレクトすることにしました。お一人様にも優しいカウンター席にあるお洒落な呼び鈴を鳴らして、スタッフさんに注文。のんびりと外の景色を眺めながら到着を待ちます。



こちらのカフェは「海と空のカフェ」という名前なだけあって、瀬戸内海の綺麗な青の景色が見えるカフェなのです!! ......が、私が訪問したこの日は、あいにく1日中濃霧な一日だったので、この景色......。


残念ながら、青い景色が広がる写真をお届けすることは叶いませんでした。代わりに、幻想的な白が広がる景色にてこの場はお納めいただき、青い景色は皆様の目でご確認頂ければと思います。涙。

ちなみにこういう濃霧の時は、先の景色が見えないからこそ、目の前の波の揺らぎに集中して、ぼんや~りとできるので。そういう楽しみ方が、個人的にはおすすめです◎ 波を見ながら、無心になっていたところ、やってきましたドリア~!



こんな感じで、チーズの下のライスがピンク色に色づいていて、古代米が使用されていることが分かります。
食べてみると、1粒1粒がプチプチとした食感で、早食い癖のある私なのですが、これは食べていてよく噛める。プチプチ食感が楽しいです。そして、トマトソースの酸味がトロットロなチーズとの相性が抜群だし、このチーズは一体何チーズなのでしょう? めちゃくちゃトロットロで、スプーンで持ち上げると某ジブリアニメのように"とろ~ん"ってします。ものすごく美味しい。オイルサーディンの苦味が味のアクセントとなっていて、パクパクかみかみもぐもぐ。美味しい。

ベビーリーフのサラダにかかっているのは、オレンジっぽいドレッシング。これもかなり美味しいです。おしゃれな味。自家製ドレッシングなのでしょうか? スタッフさんに確認し忘れたのが悔やまれます......。もしご存じの方いらっしゃれば教えてください。


そして、デザートはティラミス。
白いクリーム部分の食感は、ふんわりもったり。その下は、じっとりとたっぷりのコーヒーが染み込まされたのであろうコーヒー味のジューシーなスポンジ。それらを、上に振られたココアパウダーが少しの苦みでぎゅっとまとめてくれて、一体感を演出。衝撃的に美味しい。

ランチセットのデザートは選ぶことはできないのですが、ティラミス、単品でも食べて欲しいです。めちゃくちゃ美味しかったです。白いところのもったりした食感が最高に好きすぎた。


カフェラテは、ラテアートを描いてくれるうえ、この通りたっぷり300mlサイズ。お味は、クリーミーで優しい口当たり。

実は「海と空のカフェ」さんは、この近くにあるコーヒー専門店「トートコーヒー」さんの姉妹店。
なので、珈琲類の美味しさはお墨付きで、カフェラテに使用する珈琲豆と、ホットコーヒーに使用する珈琲豆には別のブレンド豆を使用するなど、かなりのこだわりがあるので、珈琲好きにもオススメの休憩スポットです。

さて、ここからはショップで購入した商品を紹介していきたいと思います。


まずご紹介するのは、江戸時代から続く伝統的な製法を守りながら作られた「宇多津入浜式の塩」です。

この塩は、瀬戸内海の海水を100%使用し、手間ひまかけてじっくりと作られています。ゆえに、年間生産量わずか2,000kgという貴重な逸品。現代では大量生産の塩が主流ですが、「宇多津入浜式の塩」はあえて昔ながらの手作業で丁寧に仕上げることで、まろやかでコクのある味わいを実現しています。
さらに、海水に含まれるカルシウムやカリウム、マグネシウムといったミネラル成分をしっかりと含んでいるため、口当たりが柔らかく、食材の味を引き立ててくれるのが特徴。

私も試しにひとつまみ舐めてみたのですが「粒子が細かくて、めちゃくちゃ柔らかいっ!」とまず思いました。舌に乗ると、ふんわり溶けていく感じ。いつもの塩だと、舌に乗せると角ばっているイメージで、ツンとくるような刺激的な塩味を感じるのですが、この入浜式の塩は、ふわっと綿雪のように舌に乗ってきて優しく染みていくような柔らかい塩味を感じるのです。明らかに、いつもの塩とは違う!! すごい!
炊きたてのご飯にふりかけておにぎりにするのはもちろん、新鮮なお刺身にひとつまみつけたりして味わうと、素材本来の旨みを際立ててくれて、一層贅沢な味わいを楽しめます。

万人向けのお土産として、これは絶対オススメ。
自分が貰っても嬉しいし、プレゼントとしても自信をもってプレゼントできる逸品です。


2つめにご紹介するのは、宇多津の恵みを凝縮した、新感覚の讃岐うどん「宇多津古代米讃岐うどん」。

讃岐うどんは「白い麺」で、「ツルツル」「コシが強い」そんなイメージですよね? そんなイメージを覆すのが「宇多津古代米讃岐うどん」です。栄養価が高い古代米を配合した麺は、まるでお蕎麦のような色合いをしており、見た目からしてインパクト抜群。

しかし、食べてみるとその味わいはしっかりと讃岐うどん。コシの強さは然ることながら、もっちり感がひと際強く感じられ、さらに古代米由来のほのかな甘みも。「栄養価が高い」と聞くと味にクセがありそう、と思うかもしれませんが、実際には通常の讃岐うどんとほとんど変わらず、非常に食べやすかったです。

さらに、このうどんには宇多津町の伝統的な入浜式塩田で作られた天然にがりが使用されています。にがりの力で麺の旨味が引き出され、より奥深い味わいを楽しめます。

食べ方はお好み次第ですが、個人的には「ざるうどん」がおすすめ。しっかり冷水で締めることで、もちもち感がさらに際立ち、うどんそのものの風味をダイレクトに味わえると思います。


最後にご紹介するのは、美容と健康を意識した、新感覚の赤い日本酒「リセノワール(RICEENOIR)」。
アルコール分7.5度で「その他の醸造酒」に分類されるこの一本は、まるでワインのような美しい色合いと、ほんのり甘くフルーティーな味わいが特徴です。

その鮮やかで華やかなルビー色は、香川県宇多津町産の古代米に含まれる天然のアントシアニンによるもの。抗酸化作用を持つこの成分に加え、化粧品で知られるライスパワー研究のパイオニアである勇心酒造が開発したライスパワーNo.101(米エキス)も配合されているため、胃や粘膜を優しくいたわり健やかに。美容と健康を意識する方にもうれしいポイント満載です。

最初の一口は、やや酸味を感じるので、食前酒にいいかな? という印象を受けたのですが、二口目からは自然な甘さと飲みやすいまろやかさが際立ち、まるでジュースのような飲みやすさ。私自身、お酒の中でも日本酒が一番好きで、よく飲むのですが、今までに味わったことが無い初めての新感覚の日本酒でした。

宇多津には、昔ながらの製法で作られた「入浜式の塩」や、栄養たっぷりの「古代米」など、ここでしか味わえない特産品がたくさんあります。おうちで楽しむのはもちろん、お土産にもぴったりです。宇多津の魅力を堪能し、「道の駅うたづ臨海公園」にも立ち寄って、お気に入りの一品を見つけてください。ぜひ一度、宇多津の魅力に触れる旅をしてみてくださいね。

※詳しい情報は外部サイトをご確認ください。

【うたづ海ホタル】
所在地 〒769-0201 香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁4
サイト https://uplaza-utazu.jp/umihotaru/

【海と空のカフェ】
所在地 〒769-0201 香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁4うたづ海ホタル内
サイト https://www.umi-sora-cafe.com/

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【綾歌郡関連アーカイブ】
ヤドン(ポケモン)を楽しむかがわ旅 グルメ編(うどん県PR団ヤドン特集(1)|綾川町&高松市)
https://www.kotobus-express.jp/column/2024/10/kagawa-yadon-241001.html

ヤドン(ポケモン)を楽しむかがわ旅 遊ぶ編(うどん県PR団ヤドン特集(2)|綾川町&高松市)
https://www.kotobus-express.jp/column/2024/11/Kagawa-yadon-241101.html

この記事を書いた人

コトバススタッフ
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